◇さくら小の皆さん、おはようございます! 検温と健康観察はできましたか? 毎日、君たちの生活ぶりを見ているお家の人に心配をかけている人はいませんか?自分の生活・行動を自分でコントロールできることは、将来に渡って「最大の武器」になります。やらされていると感じてやるのではなく、お休みだからできることをがんばってみましょう。◇昨日メール・ホームページでお知らせしましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため臨時のお休みが長く続いたので、「夏休みの期間を変更」することになりました。一人一人ががんばっているからこそ、ここまで命に係わる事故や事件の報告は受けていません。しかし、もう少し我慢(がまん)の日々が続きます。6月1日の学校再開に向けて、生活のリズムを整えて健康に過ごしてほしいと思います。

◇さて、今日は「頑張っているけど上手くいかない」と思っている人に、ぜひ読んでもらいたい作品を紹介します。

 努力のつぼ   角野愛
「お母さん,努力のつぼの話,またして。」「うん,いいよ。今度はなあに。」「逆上がり。」「あらあら,まだいっぱいになっていなかったのね。随分大きいねえ。」と言いながら,お母さんは椅子を引いて,私の前に座りました。そしてもう何回もしてくれた努力のつぼの話をまたゆっくりと始めました。それはこんな話です。

人が何か始めようとか,今までできなかったことをやろうと思った時,神様から努力のつぼをもらいます。そのつぼはいろんな大きさがあって,人によって,時には大きいのやら小さいのやら色々あります。そしてそのつぼは,その人の目には見えないです。でもその人がつぼの中に一生懸命「努力」を入れていくと,それが少しずつたまって,いつか「努力」が溢(あふ)れる時,つぼの大きさが分かると言うのです。だから休まずにつぼの中に努力を入れていけば,いつか必ずできる時がくるのです。

私はこの話が大好きです。幼稚園の時,初めてお母さんから聞きました。その時は,横ばしごの練習をしている時でした。それから一輪車や,鉄棒の前回り,跳び箱,竹馬。何でも頑張ってやっている時お母さんに頼んでこの話をしてもらいます。くじけそうになった時でも,この話を聞いていると,心の中に大きなつぼが見えてくるような気がします。そして私の「努力」がもう少しで溢れそうに見えるのです。だからまた頑張る気持ちになれます。お母さんの言うとおり,今度の逆上がりのつぼは,随分大きいみたいです。逆上がりを始めてから,もう2回もこの話をしてもらいました。でも今度こそ,あと少しで溢れそうな気がします。だから明日からまた頑張ろうと思います。

お母さんは「つぼが大きいととても大変だけど,中味がいっぱいあるから,あなたのためになるのよ。」と言ってくれるけど,今度神様にもらう時は,もう少し小さいつぼがいいなあと思います。(※原文のひらがなの所を漢字に直しました。)(出典:朝日作文コンクール「子どもを変えた親の一言」作文25選 明治図書)

◇みんな誰もが「努力の壺(つぼ)」を持っているのです。そして努力を続けることでつぼの努力があふれ、努力が叶うのです。叶う前にやめてしまっては努力は叶いません。叶うことを信じて努力を続けること、それが大切だということを教えてくれる作品です。